「平成15年度地下水における硝酸・亜硝酸性窒素の汚染状況調査」概要
環境生活部水質保全課
1 調査目的

 地下水の硝酸性窒素及ぴ亜硝酸性窒素による汚染の現況について、その発生源や汚染経路等を把握し、今後の汚染負荷削減対策を講じるための基礎資料を得ること。
2 調査内容

東庄町宮本地区(【図一1参照】)において
(1)周辺状況調査
(2)地下水質調査
(3)鉛直方向及ぴ水平方向の汚染状況
(4)想定される汚染源がらの窒素供給量
を調査。
3 調査結果の概要

(1)調査地区の状況

調査地区の人口は約260人であり、その約半数が農業に従事していた。
また、約6割の世帯が単独浄化槽を使用していた。

航空写真、聞き取り調査及ぴ現地調査をもとに、調査地区(約86ha)の土地利用状況を調査したところ、昭和42年においては畑地が約66%、山林が約16%、宅地が約10%を占めていたが、平成15年には畑地が約41%、山林が約14%、宅地が約14%、畜舎及ぴ苗圃が約6%を占めるようになり、畑と山林が減少し、.宅地、畜舎、苗圃が増加していることがわがった(【図一2〜4参照】)。

畜舎の増加に伴い、素堀(素堀跡を含む)が増えていることがわかった(【図一2〜4参照】。

(2)アンケート調査結果

地区内の住民及ぴ調査地区内に農地等を所有している住民に対して家庭排水、農地、畜舎に関するンケート調査を実施した結果、

 約41%(調査地区内の住民:約49%、調査地区外の住民:約27%)の回答が得られた。

 家庭雑排水については
(ア)「台所、風呂等排水を直接、排水溝に放流している」との回答が全体の56%を占め、その期間は過去10年から30年に及んでいた。次いで、「合併浄化槽で処理後、排水溝に放流」が全体の33%を占めていたが、その期間は最近2〜3年程度であった。
(イ)トイレの排水については「単独浄化槽で処理している」が全体の44%と最も多いで合併浄化槽の33%であった。また、「以前は浄化槽を設置していなく、汲み取りにより対処していた」のが全体の60%を占めていた。

農地については、
(ア)調査地区内に農地を所有または耕作しているが約70%を占め、平均で畑地の場合8.6ha、水田の場合2.3haであり、畑地の場合、調査地区内の畑地の約25%に相当していた。
(イ)作付け面積で最も多かったのは花木類で全体の約50%を占めていた。
(ウ)肥料については約100kg/haの窒素成分が使用され、施肥時期は4月から12月に実施されていることがわかった。
(工)糞尿については、「現在肥料としている」、「20年くらいまでは肥料に利用していた」、「まったく利用していない」がほぼ同じ割合であったが、肥料として利用している場合の利用形態としては堆肥を作って畑地に利用という回答が全体の約70%を占め
た。

 畜舎については、、
(ア)現在または過去に畜舎を経営していた経営者からそれぞれ3件ずつ回答が得られた。
(イ)現在、飼育している家畜で最も多いのは豚で8400頭であった。
(ウ)家畜排せつ物の処理方法としては、過去においては堆肥舎、尿だめ、素堀の3種類で処理されていたが、現在では堆肥舎、尿だめ、浄化槽、地下貯留槽という回答であった。
(エ)処理または保管施設にっいては地下浸透させないようにコンクリートや遮水シートを使用しているが67%を占めたが33%は未対策であった。

(3)地下水質調査結果

調査地区には井戸水の採水が可能な井戸が49本存在しており、このうち27本の井戸及ぴ新たに設置した2本の観測井戸の計29本について地下水の水位と水質調査を実施した。調査の結果、29本のうち、観測井戸2本を含む27本が同一の帯水層から取水していることがわがった。以下、この27本の井戸が取水している帯水層について記載した。

 地下水流動
調査地区の地下水頭面は、おおよそGL−14〜15mで標高に換算すると、台地部で約37〜38m、斜面部で34〜35mであった(【図一5参照】。
 地下水は神社の周辺と台地の東側のそれぞれのピークから南方面の谷、または北側の低地に向かって流動していた。地下水位面は北側の台地の縁と南側の台地の縁で地形的に切られ、斜面に湧水となって流出していた(【図一6参照】)。

 地下水質
調査地区の27本の井戸の硝酸性窒素及1ぴ亜硝酸性窒素の最高値は92mg/L、最小値は4.8mg/Lであった(【図一5参照】。
27本の井戸水のうち環境基準を超過した井戸は24本であり、超過率は約90%であった。

(4)地質調査結果


ポーリング調査結果
ポーリング調査(掘削深度:約25m)の結果、地質の区分は大きく上位がらローム層レキ混じり砂層(香取層)、砂質シルト層(豊里層)に区分された。

土壌調査結果
(ア)鉛直方向の窒素分布
土壌の溶出試験により鉛直方向の窒素分布を調査した結果、全窒素、硝酸性窒素及ぴ亜硝酸性窒素は深度約2mまでで急減していた(【図一7参照】)。
(イ)土地利用形態別の窒素濃度
畑地、山林、苗圃、素掘、素掘跡地の5地点の土壌について窒素の溶出試験を・実施した結果、全窒素、硝酸性窒素及ぴ亜硝酸性窒素濃度は素掘、素掘跡地で高濃度であった。また、有機態の窒素については素掘、素掘跡地、山林で高濃度であった(【表一1参照】)。

(5)窒素供給量
汚染源と想定される供給源ごとの土壌への供給量を原単位を用いて算定した。供給源としては生活排水、施肥、家畜排せつ物の不適正処理の3通りとした・算定の結果、調査地区において土壌への供給量が最も多かったのは家畜排せつ物の不適正処理であった。