千葉県に於ける公営競技について

 公営競技については従来より、存廃を含む在り方ついて多くの議論がなされて参りました。

 千葉県が関係する公営競技として、競馬・自転車競技・小型自動車競技があり、具体的には、船橋競馬と松戸競輪の一部そして船橋オートです。

 本県の公営競技が、戦後の復興期から高度成長期にかけて、本来の目的である本県財政の貴重な自主財源として、また地域密着型の娯楽として半世紀にわたり、大きな役割を果たしてきたことも事実ですし、公共団体が主催するギャンブルに批判の声が高いのも事実です。

 例えば、船橋競馬は日本中央競馬会が主催する中央競馬とは異なり、昭和23年制定の競馬法に基づき都道府県や市町村が主催する地方競馬です。現在、全国で24の主催者が30カ所で開催され、地方財政に一番貢献した年と言われる平成3年の総売上は、全国で9,862億円と最高額を記録し、本県においても平成2年に単年度収支で23億6,300万円の黒字を出しました。農林水産省によれば昭和33年から昨年までの間に、全国で計約8,600億円が主催自治体の会計に繰り入れされ、本県においても昭和36年から平成11年までに約220億円の財政への貢献があったとす言われております。

 しかしながら、バブル崩壊以後各主催者の収支も悪化の一途をたどり平成12年には、単年度収支で全ての主催者が赤字となっております。施設改善や基金の積み立て等の運営努力の差や、地理的条件・主催者である地方自治体の財政事情によって、度合いは異なりますが、運営悪化は深刻です。

 この厳しい状況の中、農林水産省は「地方競馬のあり方に係わる研究会」立ち上げ検討を始めましたが、北海道・高知県・新潟県のように厳しい見通しとの認識の上、廃止をも視野に入れ検討しているとの新聞報道もあります。

 本県の船橋競馬は、大井競馬とともに平成11年度は黒字でしたが、12年度は赤字に転落し、厳しい見通しと、内在する基本的な問題は各主催者とも同じです。今後全国におけるの地方競馬のあり方も問われてくるでしょうが、農林水産省の9月25日に開かれた「第2回地方競馬のあり方に係わる研究会」の一委員よりの発言に「主催者が競馬事業の課題を設定し、これから自ら解決してゆく姿勢がない限り存続はあり得ない」との提言は、正に地方公共団体が、いままで自主財源の確保手段としての地方競馬のあり方を、どういう形であれ、主催者が見直す時代要請に迫られているとの警鐘と受け止められます。

 選択枝も限られてきていると思いますが、存続をしてゆくならば、中央競馬との連携と協調をにらんだ制度改正、共同トレセン構想「共同トレイニングセンターやトータリーゼーションシステムの共同化事業」の推進・ブロック化による開催日の調節や人馬の交流の拡充、賞金の増額や大井競馬のナイター競馬「トゥインクルレース」の実現・食事をしながら競馬の観戦も楽しめるレストランの開設等新たな多額な資金投資を含む自助努力が必要となってきますし、廃止にも多くの問題があります。近年、地方競馬を廃止した事例として、昭和48年大阪府春木競馬場、昭和62年和歌山県紀三井寺競馬場、平成13年・今年の中津競馬場の廃止がありましたが、競馬法には、廃止する場合の規定がなく廃止に係わるの経費を起債で賄うことがでないため、厩務員・調教師・従事員への補償が必要となり、中津競馬場の廃止課程にこの問題の深さをみることがでます。

 競馬の民営化の論議も当然考えられますが、競馬の民営化については、戦後の地方競馬の創生期から国会で議論されながらも、また今回の小泉内閣の特殊法人改革でも、農林水産省は、関係団体の改革に消極的です。 地方競馬が置かれた現状こそ「聖域なき構造改革」が必要であるとの指摘もあります。

 船橋競馬について述べて参りましたが、本県の係わる他の公営競技も同様の問題を抱えており、もちろん、各々設立や経過そして運営事情も異なることから 、一概には論ずることは難しいのかもしれませんが、本来の公営競技の目的、今後の在り方・方向性について改めて検討を加える時代が来ているのではないでしょうか。

 当然のごとく関係市町村との協議と合意が必要であることは、言うまでもありません。
この古くて新しい公営競技の在り方について、自主財源の確保と言う観点だけではなく、多方面からの検討を加え、廃止を含めた真摯な検討が必要です。