平成20年9月県議会、民主党を代表して質問をしました。(全文)


民主党の田中信行です。会派を代表して、通告のとおり質問をいたします。

1.知事の政治姿勢について伺います。

まず、はじめに知事のマニフェストについてであります。
来年の知事選挙が近づくにつれて、知事の定例記者会見でも報道機関からの知事の意向が尋ねられていますが、知事の三選への意向はともかくとして、二期目四年間の県政に対する知事のマニフェストの検証を少なくともご自身で行い県民に公表すべき時期に来ていると思いますが、マニフェストを提示し、県政を担った者の責任としていつ公表なされるのか伺います。
特に私たち民主党が、たびたび質して参りました「2008年までに財政の再建をする」との一文について見解をお聞きしたい。

政治姿勢の2番目として、大変難しい状況になっている公立病院・自治体病院 を含めた千葉県の医療体制について伺います。
知事は9月2日付けで「公立病院」「自治体病院」に係わる財政支援の緊急要望書を国に提出なされました。内容は、特例債の発行要件の緩和・病院事業の廃止に伴う財源手当・民間委譲における交付税措置・社会保障制度の見直しと緊急財源確保・医師供給システムの再構築・及び国の来年度予算への要望がなされています。国も財政負担を地方に強いている状況で、達成の多くを期待できない中、県内市町村と連携し、県民の命と健康を守るため、千葉県が公立病院・自治体病院への具体的な支援のあり方が問われております。地域医療センター構想についても、支援の明確化を求める地元と「県の負担が先か」「計画が先か」と言った水掛け論を呈し暗礁に乗り上げている状況であり、現状の打開には県の強いリーダーシップが鍵との報道もあり、現状で県が県民の命と健康を守るためしなければならない支援について知事の見解を伺います。さらに、県総合医療センター構想に対して、病院局から異例とも言える見直し・白紙化の意見が出されましたが、他の識者から総合医療センター構想は、各施設の整備の足かせになっているとの意見もあるが、この構想について知事の基本的な考え方を伺います。

政治姿勢の最後は、7月22日に千代田区平河町の都道府県会館で開催された「第36回千葉県行政改革推進委員会」について伺います。
議題は、今年度が最終年度となる「行財政システム改革行動計画」のフォローアップと公社改革の状況と意見交換が行われたとのことです。
県の資料4によれば、行財政システム改革行動計画の19年度の進捗率を91%とし、おおむね計画どおりの成果として報告しています。これに対して委員の意見がなされています。

財政状況については、
◯行革の成果は出てきているが、財政状況は好転していると感じない。

◯質的転換を図っても、行財政改革の財政面の効果に結びつくような改革は可能か、財政負担を伴う質的転換では意味がない。

○プライマリーバランスでは、国より千葉県は早くクリアしているが、県債残高は増え続けている。

行財政システム改革行動計画の評価については

○行動計画では「A」評価が多いが、本当にそうなのか。

○計画の進捗状況の評価は自分でしてはいけない。どうすればコストが下がるか基準を作らないといけない。

○行動計画の進捗状況の評価については、自己評価では内部的で自己中心的な評価になってしまう。

○次の計画は、再度根本からやっていただきたい。

公社改革については
○民間では、順序が「やめる、減らす、変える」。やめられなければ減らす、減らせなければ仕組みを変える。(公社改革の)資料を見ると、変えるが先で「変える、減らす、やめる」。これでは、何十年かかってもよくならない。

○経営改善できないのに「経営改善」としている。

○これだけの数の団体(公社)をなぜ県が持つか解らない。天下り先の確保で作ったものだからやめられないのか、・・・やめることを前提に次の計画を作ってほしい。

このように、行財政システム改革行動計画では、財政状況は好転していない。さらに行動計画の評価指数そのものについて疑問の意見があり、評価方法についても、自己評価では内部的で自己中心的なるので、計画の評価は自分でしてはいけない。との厳しい指摘がされています。加えて、「公社改革」の基本的スタンスに疑問が投げかけられ、厳しい指摘がなされましたが、県政改革を担ってきた千葉県行政改革推進委員会の委員の意見は大変重いものであります。知事の見解を伺います。

2.財政問題について                

本県は2007年度の一般会計決算見込みを、歳入総額は前年度比0.6%増の1兆4,419億8,100万円、歳出は同0.9%増の1兆4,382億4,900万円で、実質収支は22億7,800万円の黒字としています。168億円の計上保留をしたままの当初予算でありましたが、結果として、企業庁からの110億円や特例的な地方債によった残りがおおよそ23億円の繰越金として発生した結果であります。このような最後に借金によって黒字を残したことがここ4年続いています。本来、黒字であれば、地財法に基づき財政調整基金にその2分の1を積み上げなければなりませんが、今日まで全く積み上げて来てはおりません。何度も言いますが、基本的には地財法違反であります。私達民主党は、再三このことを指摘してまいりましたが、財政調整基金に積み上げませんでした。一時的にも基金に繰り入れないことからも本県の財政が大変危機的な状況にあるにもかかわらず単年度収支のみをもって、知事が報道機関におっしゃった「何とか黒字を確保した。」とのイメージからは程遠く、重ねて言いますが、借金をしすぎた残りが黒字と称されているだけのことであります。約23億円の金額についても、19年度当初に財源確保のために庁舎等建設基金からおおよそ27億円を繰り入れの予定でしたが、結果、年度末に調整と称し繰り入れを取りやめました。取りやめなければ、黒字は50億円を超えたものになります。実際にこのような調整が行われる中、単年度収支の黒字は財政の堅調さを示しているものではなく単なる数字の操作にすぎないといわざるをえません。

そこで伺います。19年度の収支は、簿外債務であり、起債許可のいらない、企業庁の土地造成会計からの借入金の110億円がなければ、実質収支は87億円の赤字であり、庁舎等建設基金から27億円繰り入れても60億円の赤字となります。本来平成19年度決算は、赤字とも成り得る財政構造ではないのか、見解を伺います。

さて、本県の財政状況についてです。
単年度が黒字であっても財政調整基金は残高0、一般会計の借金残高は昨年度より、約681億円増の2兆4,529億円を超えています。利息が約6、000億円と見込まれ、一般会計だけでも、返すべき借金は、3兆500億円を超えます。さらに全会計では、3兆6,800億円を超えると見込まれ、私たち県民が将来にわたって返さなければならない借金総額です。この増え続ける借金に大きな不安を感じます。
今回の財政健全化法に基づく健全化判断比率が示され、本県の場合は実質赤字比率及び連結赤字比率はなしであり実質公債比率は12.6%、将来負担比率は216.4%と早期健全化基準の400%をしたまわる数値となりました。この、指標について知事は定例記者会見等で感想をもとめられ千葉県の状態を「黄色信号といってもいいのかもしれません。」とおっしゃっていますが、この指標の数値をどう判断されるのか伺います。特に将来負担比率については分子に一般会計起債残高が組み入れられていますが、本来返すべき利子は含まれていません。総務省の示した算定式では利子は含まれていませんから216.4%は策定数値としては正しいのかもしれませんが本来返すべき利子を含めなければ実態に近づかないのではないでしょうか。このことについても見解をお聞かせください。

次に経常収支比率が100.1%になったことについてであります。
平成16年度から4年間で7.1ポイントも急増したことは異例な上げ幅と思います。この原因をどのように分析しているか伺います。更に100.1%がしめす意味は、仮に使えるお金が100万円としたなら必要経費だけで1000円足りないということであります。他の施策や事業に出す資金が全くない状態を示しているといえます。すなわち不足分を全て借金で賄なはなければ、施策及び事業ができない状況です。この経常収支比率の100%を超えることは、まさに千葉県の財政運営が危機的状況にあるといえ財政再建の効果がなく悪化の一途をたどっていることを示していることといえます。この数値の示す状況について見解を伺うとともに21年度財政運営についても経常収支比率の改善の見込みがついているのかもあわせてお伺いします。

次に健全化判断比率にも細かく算定されました交付税で措置がされる特例的借入金の一般借金化については何度か本会議で指摘をしてまいりました。20年で交付税措置をされる借入金を千葉県は30年で返すことによって交付税の先食いの結果残りの10年分、すなわち3割を超える財源措置をされるとする借入金が一般借金化しています。このことについて知事は19年の2月の答弁で財源措置とされる借入金の措置期限が20年から30年にされるものが導入されてきたとの答弁があり、一般借金化の心配はないような発言でしたが、実際は20年度起債分で30年交付税措置されるものはわずかに4%にとどまっています。いまだ交付税で措置がされる特例的借入金の一般借金化進んでいます。改めて知事の見解をお聞きします。

次に、収入未済金の回収よる財源確保についてであります。
平成18年度決算時には県税で270億円、その他で32億円、総額302億円収入未済金がありました。滞納整理に多くの人員を配置しましたが、どのくらい確保ができたのか財源確保の見地から成果について伺います。
次に堂本知事によって「財政再建プラン」「行財政システム改革行動計画」と財政再建計画が実施されてきました。本年度が最終年度になり、その財政再建の成果が問われています。先の知事の政治姿勢で「行動計画」の評価について行政改革推進委員の意見は紹介いたしましたが、私からは、本年6月議会での民主党の代表質問で「これまでの財政再建計画では、財政再建・健全化は実現できない」との指摘に知事は答弁で平成17年度よりプライマリーバランスの黒字と建設地方債の減少をもって「財政再建の取り組みは着実に成果を上げているものと考えております。」との発言がありましたが、本県のプライマリーバランスの構造や建設地方債の減少だけをもって財政再建とは言えないが改めて見解を伺います。

3.入札・契約について

随意契約についてまずお伺いします。
本来、競争入札が行われるべき事業に多くの随意契約が見られ、発端は平成16年度決算ベースでの価格500万円以上の契約に随意契約の占める割合は金額で健康福祉部で9割弱(135億3200万円)、商工労働部で9割の(39億3千万円)、出納局、監査委員事務局で、すべてが随意契約でありました。その後「契約は競争入札が原則であり、随意契約は例外的である。」との全庁的な見直しが行われ、原点に立ちかえり「競争入札になぜできないか、随意契約によることができる場合の要件に該当するのか、随意契約の理由が明確であり、県民に説明責任を果たせるのか、どうか、長年の慣例になっていないかの基準に基づき、実質調査を実施し、見直しの結果随意契約から競争入札の導入可能なもの861件、343億4、900万円を割り出し、是正」を図ったとしてきました。
 また、随意契約でやむを得ないとしての、1,833件、383億2、000万円は想像より多く、従来の随意契約の30%強の改善でしかなかった結果でありました。20年度の予算委員会でも民主党の小泉委員より、高落札率の工事契約や、億を超えるIT関係の多額の随意契約の存在の解消や改善を求めてきたところであります。県も昨年の12月議会で「千葉県随意契約見直しに関する連絡会議において、全庁的な検証を継続して実施いたしまして、随意契約が真にやむを得ないものに限定されるよう、一層の適正化に努めてまいりたいと考えております。」との松原総務部長答弁もありました。

まず、ここ数年来、改善に努めてきた随意契約について伺います。
(1)全庁的見直し後の改善の状況について契約件数を金額割でお示しください。

(2)高額随契の中にはやむを得ない契約も存在すると思うが改善の余地がないのか見解を伺います。

次に、予定価格を事前に公表する工事契約の応札の中で、水道局の不自然な契約がなされて以後、全庁レベルで予定価格を承知で予定価格を超えた応札があったかどうか伺います。

次に今回の国が工事において、予定価格の事前公表による弊害が生じないように注意を喚起し、適切に取り扱うことを求めていることについてです。
これに呼応して、多くの都道府県では一斉に工事に係わる予定価格を事後に公表する試行をするとのことです。本県でも予定価格1億円以上の建設工事について、事後公表の試行を予定しています。事後公表の効果として、自治体によっては、落札率の高止まり傾向を押さえる一つの対策となる、との見解を示している自治体もありますが、本県においては、予定価格を公表していない「委託工事」等においても高落札率が続いている実状がある中では効果に疑問があります。更に、かつての事件のように、予定価格の「漏洩」が問題となってくることが予想され、ただの逆戻りであるならば、問題の繰り返しとなりかねない懸念があります。県としては予定価格の事前・事後の公表について不正防止の点からどのように分析し今回の試行となったのか見解を伺います。

4.漁業補償問題に係る調停について

昭和57年7月に市川市行徳漁業協同組合に対して転業準備資金として42億9,750万円を県と同漁協及び金融機関の協定に基づき金融機関から融資を受け組合員に貸付を行ったものと、同じく南行徳漁業協同組合に対しても昭和51年に県が同漁協に対して漁業権の一部消滅補償を行ったのちに残存した漁業権の価値と平成13年当時現存していた漁業権の価値の差額に相当する金額を加えて、補償アドバイザーの提言に沿った、民事調停の申し立てを行い交渉した結果、算定提案した金額よりも多い60億円と6億円で調停の金額が提示されました。行政の計画と変更によって生活そのものを変えざるを得なかった方々に対する補償が様々な経過を経て、裁判所の調停案として今議会に提案されました。転業準備資金に係わる協定がなされてから25年以上がたった上、調停額についても「県の提案を尊重」のうえの額であり、詳細については説明がなかったとのことですから、細かい算定額の積み上げの妥当性を問うことは出来ず、補償問題の解決のための調停総額として理解せざるを得せんが、三者合意に基づく本件融資の問題点は、平成17年に判決が出された「千葉県に代位して行う損害賠償等請求事件」の判決文の中で指摘されているように「本件埋立計画が具体性を欠き、計画の見直しもあり得たうえ、転業準備のために必要な額についての調査は行われずに、融資総額が行徳漁協の漁場評価額45億5,700万円に近い42億9,750万円となっており、その融資額全額についてまで、融資の必要性があったとは認め難い。また、三者合意によれば、本件融資の利息が発生した場合には、それを県が負担しなければならないことから、本件埋立計画の実施が遅れれば、融資期間はその分だけ長期化し、利息も多額になるおそれがあったが、本件融資の時点では、本件埋立計画が具体性を欠いていたにもかかわらず、本件埋立計画が実現しない場合等については、何ら検討がなされず、県の多額の負担を回避するための措置が講じられていない。」としている。
計画の見直しもあり得たについては、結果論としても、転業準備のために必要な額についての調査は行われなかったこと、さらに市川市行徳漁業組合に関する三者合意によれば、本件融資の利息が発生した場合には、それを県が負担しなければならないことから、埋立計画の実施が遅れれば、融資期間はその分だけ長期化し、利息も多額になるとの指摘どおり、昭和57年から平成10年の16年間で約56億円の利息を生じ、平成12年・13年で全額返済という当初貸付額を超える負担をする結果となりました。裁判所が指摘をした点に加えて、16年以上も県の埋め立て計画が実施されなかった状況も踏まえて、県として問題点の把握と総括的な反省をどのようになしたのかご説明願いたい。

5.企業庁の収束に伴う諸問題について

企業庁の収束については、本議会でも質問が多くなされて参りましたが、発端は平成15年2月4日の「千葉県行政改革推進委員会」で企業庁土地造成整備事業の改革として論議され、「土地需要の長期的な見通しを考慮して、新規の土地造成は行わない」ことを基調に、新組織への移行については、「主要事業は、おおむね10年後には事業が進捗し、所期の目的が達成されることが見込まれ、」「その時点でも、なお約1200ヘクタールの土地の保有が見込まれる。」ことから「保有土地の管理・処分」にふさわしい組織として「民間活力の活用等も視野に入れ、幅広い角度から検討を行っていくことが必要。」としています。

 @企業庁の収束に向け「企業庁新経営戦略プラン」に沿って準備を整えていると思うが、「基本戦略」である取組強化期間の状況を含んで平成24年度で後継組織に移行完了ができるのかどうか、まず伺います。
さらに、貸付金等の整理が逼近の課題なると思うが、以下、伺います。

 A平成14年3月25日付けで一般会計に貸し付けた「北千葉鉄道の借金」分103億6,400万円の利率・貸付期間と詳細について協議決定がなされていないが、その理由と早期の決定が必要と思うがどうか。

 B更に「住宅供給公社」への貸付金29億円は平成8年からの60年償還。北総鉄道への53億円は平成41年までの貸付、さらに浦安マリーナ分は「土地売却代金」5億4,400万の一般会計からの償還終了は、平成40年の3月31日と20年以上も先にしているが、後継組織は何年間ぐらいを想定しているのか。

 C今日までの議会の答弁では、企業庁の後継組織については、今まだ明確ではなく、税制面や会計の形態についても、考慮されるべきであり、加えて19年度の「包括外部監査」による60項目を超える指摘への対応等、厳しい判断となるとの予想がされるが「行革推進委員会」も「概ね、10年後」との判断であり、平成24年度の収束にこだわらず、少なくとも「千葉ニュータウン事業」の収束の平成25年をこえる3年程度、企業庁の形を残し余裕を持って後継組織に継承すべきと思うが見解を伺う。

6.福祉問題について

「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」について

平成19年7月1日に本条例が施行され、1年が過ぎました。条例前文冒頭に記されているように「障害のある人もない人も、誰もが、お互いの立場を尊重し合い、支え合いながら、安心して暮らすことのできる社会こそ、私たちが目指すべき地域社会である。」このことを実現するための条例であります。
 本年8月25日に県から出された、平成19年度の同条例による相談活動実施状況報告書によれば、「相談活動上の課題」や成年後見制度の適切な活用や障害者虐待防止法の法制化の必要性といった「制度上の課題」、さらに制度や社会慣行が背景にある「構造的に繰り返される課題」が報告されています。
施行後に多くの課題が見え始めるとともに、過日の読売新聞に「長い日数と回数を重ねた末、双方が妥協し歩み寄っているのが実情。すっきりと解決している事案はほとんどない」との県障害福祉課の相談状況を紹介し、「この問題の取り扱いの難しさをうかがわせる」との報道もあり、対応の難しさも明らかになってきた1年と言えます。そこでいくつかの質問をいたします。

本条例制定時にも指摘をいたしましたが、第2条1項で障害の定義を「障害者基本法に定められている身体障害、知的障害、精神障害に加え、国に於いて定義が定まっている発達障害と高次脳機能障害」とに限定したことによって、この条例では対応できない難病等の差別事例があると思うが、問題は生じなかったのか、またどのように対処されたのか、伺います。加えて障害福祉課の資
料、同条例概要版では障害の定義について「なお、これらについては、国の動向などを踏まえ、適宜、見直すこととしています。」と記載されています。私どもは見直す必要があると思いますが、見解を伺います。

次に本条例づくりを検討するために、広く県民から差別と思われる事例を募集し、その結果、教育・雇用・福祉など様々な分野から約800件の事例が寄せられ、説明を受けたことは記憶に新しいところです。
相談活動実施状況報告書の追加資料によれば、1年間の相談件数は総合計で370件であったとしていますが、応募された差別と思われる事例約800件の半分にも満たない状況ですが、この募集数と相談件数の大きな乖離についてどのように分析をしているのか、加えて、差別と思われる事例のうち教育分野で全体の約27%、213件をしめていましたが、この1年で相談件数の370件のうち教育分野の相談が16件しかなかったことは何を示しているのか、またどのように受け止めているのか伺います。

さらに本条例の解釈指針の見直しについて伺います。第2条第2項第5号の教育における不利益取り扱いの定義の解釈について

○通常学級で「特別支援教育」を受けている子供の保護者は、差別者になる

○子供の教育を巡って保護者と学校で意見が異なると、保護者が即差別者になる。

との疑義が県民等から寄せられ、見直しの必要があるとして調整委員会で修正した経緯があるが、「共に育つ会」の意見も含めて、経緯と修正内容をご説明いただきたい。
 
次に、県下の児童養護施設と情緒障害児短期治療施設についてであります。

御承知の通り、児童養護施設は児童福祉法41条に基づいた施設として、全国559カ所、30,700人以上の子どもたちが入所しており、県下では17カ所で小・中・高校生750人を越える子供たちが入所・生活をしています。
施設では、「近年、児童養護施設へ入所してくる子どもの多くが、広汎性発達障害や何らかの医療的ケアを必要としている現状があります。さらに児童相談所一時保護所では、施設入所待機児童の高学年化が進んでいます。この状況の背景には、子どもたちの家庭が抱える課題の複雑化があり、児童養護施設の職員は、子どもと親それそれぞれの課題に対して、より個別的な支援が求められています。こうした状況は、従来の児童福祉制度・施策の想定を超えたものです。」と訴えています。この状況に対処したり、さらに施設退所児の支援も専門性が強く求められていることから、現状の職員配置数では大変苦慮しているとのことです。
加えて、情緒障害児に対する治療、対策が大きな問題になっていることは、昨年の民主党の質問でも質したところであります。国は各県に1カ所の情緒障害児短期治療施設の整備を促しており、社会福祉審議会に於いてもその必要性を指摘していること、さらに本議会でも請願が採択されたことも、県はすでに承知のはずです。
現在、情緒障害児に対する対応は、児童相談所や児童養護施設が担っています。昨年の質問の指摘に県は、情緒障害児短期治療施設の必要性は認めるが、「児童養護施設における情緒障害児短期治療機能の導入であるとか、地域の医療機関との協力体制の確保など、情緒障害児への具体的対応について、千葉市との連携も含めて検討していきたい。」との答弁がありました。児童養護施設における情緒障害児短期治療機能の導入が過渡的処置ならば心理療法担当職員の配置で済むかもしれませんが、県も承知のとおり児童精神科医師等の専門職員の配置と子どもの援助システムの構築が必要です。情緒障害児短期治療施設の整備が急務と思うが、1年間の検討も含めて見解を伺います。、

最後に教育問題における栄養教諭についてであります。

平成17年に児童生徒の食生活の乱れが深刻化する中で学校における食に関する指導を充実し、児童生徒が望ましい食習慣を身につけることができるよう新たに栄養教諭制度が設けられたことは、周知の通りであります。しかしながら、必置職員ではなく、定数措置もされていないので、各都道府県の裁量に任されているのが実情です。本県の栄養教諭の配置状況は平成18年度より5人ずつ配置され現在15人が指導にあたっておりますが、まだまだ緒に就いたばかりです。文部科学省は平成19年7月に各都道府県の教員委員会教育長宛に、「政府の食育推進基本計画に掲げられているとおり、学校における食育推進の中核的な役割を担う栄養教諭の全都道府県における早期の配置」と「更なる配置拡大」と一層の充実を求めてきております。
現場のある栄養教諭は「学校では栄養教諭として、食に関する指導の年間計画を立て、実践しています。食育という教科はありませんから、各教科、総合的な時間、特別活動の中で、先生方が食育を意識して子供たちに指導を進めることが重要になります。それを実践しやすくするように栄養教諭がコーディネートすることが、学校全体で食育をすすめのには重要になります。」「また家庭科だけではなく、生活科でのグリンピースむきや空豆むき、社会では食料生産、理科の植物の発芽や成長などというように、いろいろな場面で専門性を生かして、教材や資料を提供したり、授業に参加しています。そして子供たちは授業で学んだことを、給食を食べながら確認しています。食事のあいさつ、食器の並べ方や箸の持ち方、給食時間に学ぶ子供たちがたくさんいます。食に興味を持ち、食事の重要性や食事の楽しさ、望ましい食事や栄養の摂り方を理解すること、そして、自分の食を自分で管理できるように、栄養教諭として毎日仕事を続けています。」と仕事の内容と成果を教えてくれました。
効果的に食育を推進するためには、栄養教諭の役割が重要であると考えますが、知事の考えを伺います。