財政問題について

(平成16年10月4日)

 国は、地方財政の借入金残高を、平成16年度末で204兆円と見込まれるとし、近年の地方税収等の落ち込みや減税による減収補てん、景気対策等のための地方債の増発等により、急増し、平成3年度から2.9倍、134兆円の増となるとしています。
 本県の借入金残高を見ると、平成16年度当初予算における年度末残高は、前年度より971億円増の2兆3169億円と見通しており、根本的に借金を減らす、財政再建は急務です。
1.本県の財政再建の柱である「財政再建プラン」の見直しについて。

 「財政再建プラン」の見直しについては、先の予算委員会では知事答弁に「ご指摘を大変重く受け止めまして、17年までのものですけれども、この段階でもう一回構築し直す必要があるかもしれないと思っています。」と、見直しをすると受け取れる発言がありましたが、本年の7月30日に行われた第29回千葉県行政改革推進委員会において、委員より財政再建プランに関して「成果の資料がでていない」、「改善状況を数字で示してほしい」、「財源不足3600億円の中で減収補てん債などの起債が、1780億円あり大変驚いた。これをどれだけ解消したかも示してほしい。」と指摘もあり、財政再建の最重要な柱である 「財政再建プラン」は、混乱する前に見直しをする必要があります。
 
 私が指摘している見直し点は、このプランが14年度の財政見通しを基準にしたもので、かつての「財政健全化プログラム」と同様の財源不足額の設定や削減努力の成果算定は、判りづらく誤解を招きやすい、また期間通算の成果目標では年度実行の評価もしずらいことに加え、歳入確保の大黒柱である県税収入における「滞納額の縮減」は基準年度の翌年に1%収入歩合が下がったり、「超過課税や法定外税の検討」もいまだ具体化されないことなど基本的な修正が必要であること、さらに2度にわたった一般職までに及ぶ人件費削減の評価も当てはまらない等、状況の変化も多くあり、早期の見直しをすべきであります。
2.歳入確保のための税制改革についてであります。

 「財政再建プラン」の歳入確保のための大きな柱である税制改革については、平成16年度当初予算議会の民主党の代表質問に答えて、知事は、「県民に新たな負担を求めるものですので、十分に議論を尽くす必要がある。」「十分にそこは慎重に、大胆にというふうに考えます。」と答弁されました。
姿勢としては理解も出来なくはありませんが、この財政再建に邁進しているこの時、税財政研究会の開催回数も提言以後は年一回だけになっているようですし、直近の会議で「財政危機を理由に、行政サービスのともわない超過課税は如何なものか」との委員の発言もあったように聞きます。
このような状況から見て、歳入確保のための税制改革は、新たな提言も望めず、庁内検討についても消極的である様ですが、しっかりと国の情勢をも見極め、必要なもの勇気を持って議会で論議し、税制改革をしなければいけません。
3.平成16年度予算において一番危惧する地方債の満期一括償還積立金の繰り延べ分、実質的な赤字分といえる172億円の充当についてです。

 この積み立て繰り延べについては、知事も予算編成時に危惧を表明して、歳入の増収の確保に努める旨説明されておりました。
先だっての交付税増額によって、15年度赤字分約33億円は消えるとはいえ、残りをそのまま充当できたとしても、おおよそ130億円足りません。
県税収入状況は、税務課の「平成16年度7月末の状況」の報告によれば、「平成16年度7月末の県税課税状況は、4034億1700万円であり、前年同期と比べて1.5%の増となっており、税目別にみると、法人関係税や地方消費税については、景気の回復傾向や輸入貨物の増により、それぞれ13%又は、8%の増となっています。
一方、個人県民税、自動車税および不動産取得税については、個人所得の落ち込み、自動車保有台数の減、税率の引き下げなどから、それぞれ2.2%、1.8%、13%の減と落ち込んでいる状況にある」としています。
このことは、おおよそ当初予算の収税程度に止まるか、微増程度と予想され、世情に言われている好景気からの当初予算を超える増収は望めない状況であるといえます。さらに、政府の言う「三位一体の3兆円の税源移譲」については、未だ不透明・不確定であり、このことのみに頼ることは確かな解決にならないものと考えます。
 このような状況のなか、満期一括償還積立金の繰り延べ分について、今後の予算の中できちっと対応しなければ、来年度以降に大きな負担となるでしょう。
4.特例的な借入金についてです。

 本県の借入金は、平成16年度予算で2兆3、169億円と見込み、15年度決算見込みで2兆2、215億円としています。このうちの減収補てん債・臨時公共事業債等の財源措置される特例的な借入金についてです。
15年度決算見込みで総額は、1兆4、567億円、その内、財源措置される金額は、1兆825億円であり、借入金残高総額の48.7%を占めています。
 特例的な借入金の財源措置は、交付税等で措置されるわけですから、交付時期や交付額さらに借入金の償還時期・積み立て状況によって当面の目的充当をしても余る資金が生じます。
具体的な一例として、満期一括償還積み立て金の積立率を2.3%下げ、積み立て額を引き下げたことによって、前倒しに財源措置された特例的な借入金のための交付税を他に流用するいわゆる「交付税の先食い」が行われています。その規模はどの程度なの当局も検証のしようがないようですか、後日の積み立てに問題が生じることは明白です。この資金運用は問題があります。
5.来年度予算編成についてです。

 県は、8月11日付で、各部長および所管長宛に依命通達を行い、平成17年度の当初予算要求の編成方法と考え方等を通知し、要求を10月6日までに提出する事としています。 編成の基本的考え方は、16年度予算に引き続き、「年間収支不足を抱えない予算」とするため、枠配分方式によるとしています。私は、枠配分方式は、歳出削減の一方法ではあるが、「収支の均衡」は予算の多くを占めるの不確定要素への適切な対応や、歳入の的確な予測等の積み上げでこそなされるものと指摘してきたところであります。この論議は、10月6日以降の詳細が判明次第、質していきたいと思っております。
 なお、政策評価制度において、十分事前評価を行い枠配分の見直しとの指示をていますが、この評価制度と枠配分が具体的にどのように行われるのか検証課題としていきたいと思います。