外形標準課税と課税自主権について

 地方分権推進時代を迎える地方税財源について、12年8月に延長された地方分権推進委員会の委員長談話、および意見で、「自主財源である地方税については、国税と異なり応益課税を原則として、地域で生活し、生産し、消費する個人も法人も地域社会のメンバーとして、公平に地域社会を運営するコストを負担することを基本とすることが必要である」とし、偏在性が少なく、安定性のある地方税体系の確立が必要であるとしています。、意見として「地方税制は、市町村税においては最大税目の固定資産税が、応益原則に基づき、安定性に優れた独自財源として存在しているが、都道府県の最大税目は法人事業税であり、法人所得を課税基準としていることから、景気の動向に影響されやすく、外形標準課税を導入し安定を図る必要がある」としております。

 このように地方分権の推進には、地方の税財政基盤の安定はその基本であり、本県においても、11年の地方分権一括法の成立により、拡大された課税自主権の法定外普通税・目的税と法人事業税の外形標準課税による自主財源の確保の検討が急務になってきていると思います。

 さて、外形標準課税の動向です。

 12年7月14日に政府税制調査会は、中期答申を行い外形標準課税については、昨年の7月の税調・地方法人課税小委員会の報告をした4類型の中で、利潤+給与総額+支払利子+賃借料により算定される「事業活動価値」が最も望ましいとし、所得基準による課税との併用で激変緩和を行い、中小法人への配慮の上、早期導入が必要としております。また全国知事会は、7月18日に「法人事業税外形標準課税の在り方について」を発表し、外形基準は同じく「事業活動価値」としております。外形基準の形がはっきりしてきました。
シャープ勧告以来、法人事業税を所得以外へ課税する論議は、国の税調で外形標準課税を含めた答申が幾度か出されましたが、景気の回復と好景気を迎える度に消えていった経過があり、制度の整備が景気の良し悪しに影響されやすいことも事実です。
 
 課税自主権の実質的展開が問われる法定外普通税・目的税についてです。
7月12日の朝日新聞によれば、「地方環境税30自治体で導入検討」とあり、独自の課税を探る動きが広がる中で、産業廃棄物の削減を目指す税、森林・水源の保全のための税などが検討にあがり、来年度の導入を目指す自治体があるとの報道があります。法定外目的税の検討も進んでいるようですが、他紙によれば検討状況は、目的税・普通税おおよそ半々の状況のようであります。

 昭和30年から今日まで存在した法定外普通税にこのようなものがあります。

 今は無くなっているものに、犬税・ミシン税・立木伐採税・接客人税・広告税・扇風機税・牛馬税・金庫税・竹取税・使用人税・ダム使用税・商品切手発行税があり、今も課税されているものに、石油価格調整税(沖縄県)・核燃料税(福島県ほか11県)・山砂利採取税・別荘等所有税(熱海市)などがあります。

 課税状況を見ると、この4税を実施している地方公共団体は、20団体。平成10年度決算額で、収税合計207億円であります。また茨城県の平成11年に、法定外普通税として新設した核燃料物質取扱税で、平年度で概ね20億円を税収見込みとしています。

 目的税・普通税のどちらであっても、当該納税者や県民の理解を得ると言うことが大前提です。また、微税収入のコストをも考慮されなければ本来の目的を失うものと思われます。

              平成12年9月